森林バイオマスエネルギーについて
作成日:2020年01月23日
最終更新日:2023年08月22日
きっかけ
平成8年頃、構造改革、行財政改革、地方分権推進、市町村合併推進及び交付税の削減が行われた。一方、地域経済環境は、農林産物の価格低迷や購買力の低下など大変厳しい状況下に置かれていました。
そうした中、北海道の経済界から、旧来の公共事業依存体制から脱却して、自主・自立に向けた足腰の強い産業構造の創造と新たな事業づくりを目指さなければ、地域社会が沈静化していくという強い危機感から、産業クラスター創造について議論され、道内3番目の研究会として、森林・林産業を核とした下川産業クラスター研究会を平成10年度に発足しました。
※産業クラスターとは地域経済の創造発展の戦略であり、比較優位・競争優位の産業を基軸にした「ブドウの房」(=クラスター)のように関連する産業の形成効果の経済実践論です。 |
研究会は、産業連携による協議・検討を行うため、会社経営者、主婦、森林組合作業員、商店者、森林管理署など様々な方で構成され、地域の産業のみならず、経済、社会、環境の持続可能性を追求する包括的な地域経済システムづくりを目指し、勤務終了後や休日を利用し活発な活動を行いFSC森林認証、地域材を利用した住宅建設、トドマツの葉からの精油など様々なものが生み出され、その一つが木質バイオマスエネルギー利用であります。
木質バイオマスエネルギーの取り組み
木質バイオマスエネルギーを調査していた当時、情報が不足する中、熊崎實氏(現在:木質バイオマスエネルギー利用推進協議会会長)を講師に招き講演会を開催し、森林・林業を基幹産業としている本町において、地球温暖化対策だけではなく新たな産業創造の可能性について講演を頂きました。
しかし、木を燃やしてエネルギーを得るということは理解していましたが、どのようなもので、どのような方法で行ってよいかわかりませんでした。そこで、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の地域新エネルギービジョン策定等事業により、木質バイオマスを含む新エネルギー全般の初期調査を実施し、木質バイオマスの導入可能性が高いとの結果を得て、公共施設で最もエネルギー消費が多く、二酸化炭素を多く排出していました公共の温泉「五味温泉」への導入可能性調査を実施し、平成17年3月公共の温泉「五味温泉」に180 kW木質ボイラを導入し、二酸化炭素の削減とともにコストの削減、地域内エネルギー資金循環を実施しました。
その後、本町は長年にわたり取り組んできた循環型の森林を基盤に地球温暖化対策を実施するとともに地域の活性化を図るため、「環境モデル都市」認定、「環境未来都市」選定、「森林総合産業特区」指定、「バイオマス産業都市」選定等により、順次、公共施設を中心に森林バイオマスエネルギーを導入し、また、燃料用チップ製造を行う原料製造施設を整備し、現在公共施設の暖房等の熱需要量の内、約6割を木質ボイラで賄っています。
木質ボイラの導入設備
木質ボイラの導入設備は以下のとおりです。
・五味温泉(180KW) 概要はこちら(160KB)
・幼児センター「こどものもり」(100kW) 概要はこちら(183KB)
・育苗施設(581kW) 概要はこちら(196KB)
・役場周辺地域熱供給システム施設(1,200kW) 概要はこちら(198KB)
・環境共生型モデルハウス「美桑」(ボイラ14.9kW、ストーブ5.6kW、7.2kW) 概要はこちら(229KB)
・あけぼの園等森林バイオマスエネルギー熱供給施設(450kW) 概要はこちら(189KB)
・下川型エコ町営住宅(80kW) 概要はこちら(244KB)
・一の橋地区地域熱供給施設(550kW×2基) 概要はこちら(197KB)
・小学校・病院地域熱供給施設(700kW) 概要はこちら(212KB)
・中学校(240kW) 概要はこちら(205KB)
・全設備統合版はこちら(629KB)
成果
平成25年度は、木質ボイラを導入したことによる直接的な燃料費の削減額は約1,774万円、二酸化炭素の削減量は約1,220t-CO2です。
また、削減額を木質バイオマス削減効果活用基金に積み、半分はボイラ設備等の更新費用に、残りの半分を新たな子育て支援の財源として、中学生までの医療費無料、保育料1割軽減、学校給食2割軽減などに活用しています。
木質ボイラ導入ガイドマップのダウンロードはこちら(1314KB)。
このページの作成者・お問い合わせ先
産業振興課
電話:01655-4-2511