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学校における働き方改革「下川町アクション・プラン」

作成日:2020年01月23日
最終更新日:2020年08月25日

はじめに

 現在、学校には、未来社会を自立的に生き、社会の形成に参画するための資質・能力を一層確実に育成することを目指す学習指導要領のねらいや社会からの要請等を踏まえ、児童生徒に対する指導を一層充実させることが期待されており、その実現に向けては、町内全ての学校で、教員が授業や授業準備等に集中し、健康でいきいきとやりがいをもって勤務しながら、学校教育の質を高められる環境を構築することが必要です。
 しかしながら、北海道教育委員会(以下「道教委」という。)が、平成28年度に行った「教育職員の時間外勤務等に係る実態調査」(以下「実態調査」という。)の結果では、前回調査(平成20年度)や国の教員勤務実態調査と比較して、改善は見られるものの、
・  1週間当たりの勤務時間が60時間を超える者の割合が、教諭については、小学校で2割、中学校で4割を超えている。
 また、教頭に至っては、小・中学校とも7割を超えている。
・ 教頭については、調査業務を含む「事務処理」の時間が最も長い。
・ 教諭については、土日における「部活動指導」の時間が長く、中学校では全国平均よりも長い。
等の課題が明らかになっています。
 こうした状況を踏まえ、道教委では、平成29年10月に「学校における働き方改革推進プロジェクトチーム」を庁内に設置し、働き方改革を推進する体制を整備するとともに、この度、道教委が主導して、道内の全ての学校において、働き方改革を行うため、業務改善の方向性を示した「学校における働き方改革『北海道アクション・プラン』」を作成しました。
 本町においても、この「学校における働き方改革『北海道アクション・プラン』に準じて、「学校における働き方改革『下川町アクション・プラン』を作成し、実効性ある取組に向け、学校との連携を図っていきます。
 今後においても、学校、家庭、地域、行政が密接に連携し、保護者や地域住民の理解を得ながら、教員が本来担うべき業務に専念できる環境に努めて参ります。

平成30年10月 策定
平成31年4月 改定
令和2年8月 改定

1 働き方改革に関する国の動き

・ 平成29年6月、「学校における働き方改革に関する総合的な方策」に係る中教審への諮問(文部科学省)
・ 平成29年8月、「学校における働き方改革に係る緊急提言」(中教審初等中等教育分科会学校における働き方改革特別部会)
・ 平成29年12月、「学校における働き方改革に関する総合的な方策(中間まとめ)」(中教審)
・ 平成29年12月、「学校における働き方改革に関する緊急対策」(文部科学省)
・ 平成30年3月、学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」(道教委)
・ 平成311月、「学校における働き方改革に関する総合的な方策(答申)(中教審)
・ 平成311月、「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」(文部科学省)
・ 平成313月、「学校における働き方改革に関する取組の徹底について(通知)(文部科学省)
・ 令和元年12月、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律」の公布(文部科学省)
・ 令和21月、「公立学校の教育職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針」(令和2年文部科学省告示第1号以下「国指針」という。)(文部科学省)

2 アクション・プランの性格

・ 本プランは、国指針第4(1)に基づく、教育職員の在校等時間の上限等に関する方針として、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置条例(昭和46 年北海道条例第41号。以下「給特条例」という。)及び下川町立学校管理規則第36条第3項に基づき、教育職員の業務量の適切な管理その他教育職員の健康及び福祉の確保を図るために必要な事項を定めるものである。
・ 加えて本プランは、町内の全ての学校が働き方改革を進めるため、町教委が策定し、各学校の取組を促すものである。
・ 本プランについては、今後の国や北海道の動向や学校における取組状況などを見極めながら、必要に応じて適宜見直しを行う。

3 取組の方向性

・  これまでの働き方を見直し、教員が業務の質を高めるとともに、日々の生活や教職人生を豊かにすることで、自らの専門性や人間性を高め、子どもたちに対して効果的な教育活動を行い教育の質を高めるという、働き方改革の目指す理念を共有しながら取組を実行する。
・ 「学校における働き方改革」は、学校はもとより、国、地方公共団体、更には家庭、地域等を含めた全ての関係者がそれぞれの立場で、学校種による勤務態様の違いや、毎日子どもと向き合う教員という仕事の特性も考慮しつつ、その解決に向けて取り組んでいくことが重要である。

4 教育委員会及び学校の役割

(1) 町教委の役割

・ 町立学校における働き方改革を進めるための計画等や所管する学校に勤務する教育職員の在校等時間の上限等に関する方針を定めるとともに、地域の実情に応じた取組を主体的に実施する。

(2) 学校の役割

・  校長は、学校の重点目標を明確化し、全職員の共通理解のもと、働き方改革に向けた取組を、関係機関と連携しながら、主体的に推進する。
・  「勤務時間」を意識した働き方を進め、職員一人一人の意識改革を促進する。

5 アクション・プランの目標及び期間

 本プランに掲げる取組を成果の検証を行いながら着実に進めるため、当面の目標を次のとおり設定し、取組期間は平成30年度から令和2年度までの3年間とする。

教育職員の在校等時間から所定の勤務時間を減じた時間を1か月で45時間以内、1年間で360時間以内とする。

 この目標を達成するため、町教委は、毎年度、進捗状況を把握し、学校における働き方改革の取組を検証しながら、具体的な学校経営指導に努める。また、学校は、時間外勤務等の実態を踏まえ、実情に応じた取組を主体的に検討し、実施していくこととする。

【働き方改革を進めるため、令和2年度末に目指す指標】
 1 部活動休養日を完全に実施(年間Ⓐ(平日週1日52日+週末週1日52日)+Ⓑ学校閉庁日9日(ⒶとⒷの重複分を除く。))している部活動の割合 100%
 2 変形労働時間制を活用している学校の割合 100%
 3 定時退勤日を月2回以上実施している学校の割合 100%
 4 学校閉庁日を年9日以上実施している学校の割合 100%

6 取組の検証・改善

(1) 取組の検証・改善

 町教委は、毎年度、進捗状況を把握して取組を検証し、検証結果及び北海道の働き方改革の動向を踏まえた新たな取組の追加や、効果が見られない取組の見直しなど、取組の改善を行う。

(2) 検証結果の提供

 町教委は、学校がPDCAサイクルを活用して、計画的に学校における働き方改革に向けた取組を進めるため、学校に対して、検証結果を提供し、学校現場において、取組の進捗状況を容易に把握することができるようにする。

7 保護者や地域住民等への理解促進

 教員の長時間労働を改善し、教員が授業や授業準備等に集中し、健康でいきいきとやりがいをもって勤務することができる環境を整備することが、学校教育の質の向上につながる。子どもたちに対する教育は、学校、家庭、地域が連携協力して進めなければならず、その基礎となるのは信頼関係や共通認識であり、学校における働き方改革の取組について、保護者や地域住民等にも理解を深めてもらう必要がある。
 このため、各学校においては、保護者や地域住民等に対し、適切に説明責任を果たし、その理解と協力を得るためにも、業務改善や教職員の働き方改革について、学校評価に明確に位置付けるなどするとともに、町教委においても、PTA連合会等と連携するなどしながら、学校における働き方改革について、保護者や地域住民等への普及啓発を進める。

8 具体的な取組

・  町教委は、地域や各学校の実情を踏まえ、次の取組を行う。
・  学校は、校種をはじめ、各学校の実情を踏まえた上で、優先順位を決めて、次の取組を行う。

action1 本来担うべき業務に専念できる環境の整備

(1) 「チーム学校」の実現に向けた専門スタッフ等の配置促進

・ 町教委は、学校に対して、特別支援教育支援員、事務補助職員等の配置、部活動外部コーチ等の発掘を進める。
・ 町教委は、学校に対して、コミュニティ・スクール等による支援を行う。

(2) ICTを活用した教材の共有化等による授業準備等の支援の充実

・ 町教委は、校種に応じて次のような教材や資料等を提供する。
【小学校】
 各教科等の学習指導案や活用した教材、実践例等、特に外国語活動の導入や教科化、小学校プログラミング教育の実施に向けて、文部科学省が作成した教室用デジタル教材や、教員用指導書、学習指導案例、ワークシートなど授業準備に役立つ資料を含め、新学習指導要領に対応した教材等

【中学校】
 各教科等の学習指導案や活用した教材、実践例

(3) 校務支援システムの活用

・ 町教委は、成績処理などを行う校務支援システムやメール機能などを有するグループウェアを備えた校務支援システムの改善等を検討する。

(4) 地域との協働の推進による学校を応援・支援する体制づくりの推進

・ 町教委は、「地域共育ビジョン」策定を受け、学校を核として、地域全体で子どもたちの学びや成長を支える取組が推進されるよう、保護者や地域住民が学校運営に参画する「コミュニティ・スクール」の一層効果的な活動を促す。

action2 部活動等の指導にかかわる負担の軽減

(1) 部活動休養日等の完全実施

・ 町教委では、生徒の学校生活等への影響を考慮した休養日や活動時間を設定し、けがの防止・心身のリフレッシュを図るほか、教師が健康でいきいきとやりがいをもって勤務しながら、学校教育の質を高められる環境を構築するには、教師の部活動指導における負担が過度にならないよう配慮する必要があることから、全ての部活動における休養日等の完全実施に向けた取組を進める。
 ① 部活動休養日の実施
  ・ 学期中は、週当たり2日以上の休養日を設ける(平日は少なくとも1日、土曜日及び日曜日(以下「週末」という。)は少なくとも1日以上を休養日とする。週末又は祝日に大会参加等で活動した場合は、休養日を他の日に振り替える。)こと。
    また、学校閉庁日を設定する場合は、その期間を休養日とし、道民家庭の日(毎月第3日曜日)は、可能な限り休養日とするよう努めること。

 ② 部活動の活動時間
  ・ 1日の活動時間は、長くとも平日では2時間程度、学校の休業日(学期中の週末を含む。)は3時間程度とすること。
  ※ 上記の部活動休養日及び活動時間の具体的な取扱の詳細については、「北海道の部活動の在り方に関する方針」による。

(2) 部活動指導員等の発掘

・ 町教委は、部活動の指導体制の充実と教員の負担軽減の観点から、学校に部活動外部コーチや補助員等を配置できるよう人材の発掘に努める。

(3) 複数顧問の効果的な活用

・ 町教委は、可能な限り、部活動ごとに複数顧問を配置し、かつ、交代で指導や安全管理を行うなどして、時間外勤務縮減につながる取組を行うよう、学校に対して指導・助言を行う。

(4) 中体連等への参加

・ 各学校においては、出場する大会やコンクール等を精選するよう努める。

action3 勤務時間を意識した働き方の推進と学校運営体制の充実

(1) ワークライフバランスを意識した働き方の推進

・ 町教委は、学校における働き方改革を着実に進めるため、職員一人一人がワークライフバランス(仕事と生活の調和)の視点を積極的に取り入れ、意識改革を図ることができるよう、月2回以上の「定時退勤日」(例えば「家庭の日」(給与・手当支給日)、「健康管理の日」(毎週水曜日))、「消灯時間の設定」等学校の実情に応じた取組や年2回以上の「時間外勤務等縮減強調週間」の徹底に努めるなど、職員の時間外勤務等の縮減に対する積極的な取組を進める。

(2) 人事評価制度等を活用した意識改革の促進

・ 町教委は、学校における働き方改革に向けた取組状況を管理職員の人事評価に反映することとし、各学校においては、校長が定める「学校経営方針」や「重点目標」等に自校における働き方改革に関する視点を盛り込むとともに、管理職員の業績評価に係る目標設定に当たっては、所属職員の働き方改革に向けたマネジメントに関する目標として、例えば、時間外勤務等の縮減や年次有給休暇の取得促進に関する目標等を設定することとする。
・ 町教委は、管理職員だけでなく、学校の職員全体に対しても勤務時間を意識した働き方を浸透させるため、働き方に関する研修の実施を検討するとともに、職員一人一人が働き方改革の意識をもって進めるため、人事評価の面談において管理職員が職員と業務改善に向けた意識の共有を図るとともに、職員自ら考えて主体的に働き方改革を進めるよう促すなどして、全職員で取り組むことや目標時間を超える職員に対しては、管理職員が当該職員と業務全般の内容や優先順位等を協議しながら、時間外勤務の縮減方策を具体的に定めるなどして、適切な勤務時間となるよう取り組む。

(3)長期休業期間中における「学校閉庁日」の設定

・  町教委は、学校職員が休養を取りやすい環境を整備し、心身の健康を保持するため、長期休業期間中に一定期間の学校閉庁日を設定する。
 ① 実施目的
  職員が休養を取りやすい環境を整備し、心身の健康を保持するため

 ② 設定期間
  ・ 8月15日前後の特定の3日間以上を設定することを基本とする。(夏季休業期間内で、学校の実情に応じて設定することも可)とする。
  ・ 年末年始は、6日間以上を閉庁する。

 ③ 服務上の取扱等
  ・ 年休、夏休、振替等
  ・ 休暇取得を強制しない
  ・ 出勤も可。この場合、開錠・施錠は出勤する者の責任で行うため、管理職員の出勤は不要
  ・ 部活動休養日に設定

 ④ 保護者への周知
  各学校長名で保護者に周知

 ⑤ 緊急時等の連絡先
  町教育委員会とし、保護者にも周知

(4) 在校している時間を客観的に計測し記録するシステムの導入

・ 勤務時間の管理については、労働安全衛生法の改正により、校長や服務監督権者である教育委員会等に求められている責務であることが明確化されたことを踏まえ、町教委では、学校において、職員が在校している時間は、ICTなどの活用により客観的に計測・記録し、校外において職務に従事している時間についても、できる限り客観的な方法により計測・記録するシステムの導入し活用する。
・ 学校においては、在校時間などを計測した結果を踏まえ、職員の健康に配慮するとともに、一部の職員に業務が集中しないよう、業務の平準化、効率化などの取組を進める。

(5) 留守番電話やメールによる連絡対応等

・ 町教委は、非常災害の場合や児童生徒等の指導に関し緊急の必要性がある場合を除き、教職員員が保護者や外部からの問合せ等への対応を理由に時間外勤務をすることのないよう、緊急時の連絡方法を確保した上で、留守番電話の設置やメールによる連絡対応等の取組を進める。

(6) 加配教員等の配置の推進

・ 町教委は、学校が学習指導・生徒指導等に関する様々な課題に対応するため、いじめ問題など生徒指導上の諸課題に対応するための教員などの配置について、道の加配を活用するなど、学校の組織運営体制や指導体制の充実を図る。

(7) 教員と事務職員との役割分担の見直し

・ 中教審の「学校における働き方改革に関する総合的な方策(中間まとめ)」において示された代表的な業務の在り方に関する考え方を踏まえ、学校や教員が担うべき業務の範囲が、学校現場や地域、保護者等に共有されるよう、国や道の動向を注視しながら学校や教員、事務職員等の標準職務の明確化を検討するとともに、学校管理規則に適切に位置付けることについても、併せて検討を進める。

action4 教育委員会による学校サポート体制の充実

(1) 調査業務等の見直し

・  町教委は、教職員の事務の負担を軽減するため、学校を対象として行う調査について精選を図るとともに、提出期間を十分に確保し、一定期間に調査業務が集中することのないよう取り組んでいく。
・ 町教委は、各種届出や報告事項等の見直しを行うとともに、提出書類や様式の簡素化を進める。
・  町教委は、民間団体等からの作文や絵画コンクール等への出展依頼、子どもの体験活動などの各種団体からの家庭向け配布物について、当該団体に対して、学校の負担軽減に向けた協力を要請する。

(2) 勤務時間等の制度改善

・ 道教委では、平成22 年度以降、4週の期間内での変形労働時間制を導入し、随時対象業務を拡大してきたほか、休憩時間に係る制度改正や、週休日の振替に係る勤務時間のスライド・振替期間等の特例、週休日における3時間45 分の勤務時間の割振り変更など、教員の勤務時間に係る制度改善を行ってきたのに合わせ、町教委も同様の制度改善を取り入れていく。

(3) 適正な勤務時間の設定

・ 町教委は、各学校に対し、児童生徒等の登下校時刻や、部活動、学校の諸会議等については、教職員が適正な時間に休憩時間を確保できるようにすることを含め、教職員の勤務時間を考慮した時間設定を行うよう指導・助言を行う。
・ 町教委は、各学校に対し、やむを得ず「超勤4項目」以外の業務を、早朝や夜間等、通常の勤務時間以外の時間帯に実施せざるを得ない場合には、変形労働時間制や週休日の振替などの勤務時間や休憩時間に係る諸制度を有効活用して、正規の勤務時間の割振りを適正に行うなどの措置を講ずるよう指導・助言を行う。

(4) メンタルヘルス対策の推進

・ 町教委は、労働安全衛生法に基づく労働安全衛生管理体制の整備状況やストレスチェックの実施状況を定期的に把握し、その結果に基づき、必要に応じて、学校に対し改善に向けた助言を行う。

(5) 教育課程の編成・実施に関する指導助言

・ 町教委は、各学校に対し、標準授業時数を大きく上回った授業時数を計画することのないよう指導・助言するとともに、指導体制を整えないまま標準授業時数を大きく上回った授業時数を計画している場合には、指導体制の整備状況を踏まえて精査して教員の時間外勤務の増加につながらないようにし、教育課程の編成・実施に当たっても教員の働き方改革に十分配慮するよう指導・助言を行う。

(6) トラブル等に直面した際のサポート体制の構築

・  町教委は、生徒指導上の諸問題が深刻化し、学校だけでは解決が困難な事案や児童生徒の生命・身体の安全を脅かすなど緊急な対応が必要な事案等が発生した場合に、心理的、福祉的、法的側面など、専門的な見地からの助言や支援を行うため、「下川町いじめ問題対策専門委員会」等の活用を促す。

(7) 研修の精選・見直しと働き方に関する研修の充実

・ 町教委は、管理職員はもとより、学校の職員全体に対しても勤務時間を意識した働き方を浸透させるため、初任段階教員研修をはじめ、各基本研修において、働き方改革の目的や勤務時間を意識した働き方等に関する講義・演習を取り入れた研修を受講させるよう努める。

(8) 若手教員への支援

・ 各学校においては、若手教員が得意とする分野の能力を積極的に生かすとともに、若手教員が一人で仕事を抱えていたり、悩んでいたりする場合には、管理職員等がそれをいち早く把握し、すぐに声掛け等を行って、学校内外のリソースやネットワークを生かして優れた教材や指導案等の様々な蓄積を共有して支援するなど、若手教員が孤立することのないようにする。

(9) 学校行事の精選・見直し

・  町教委は、学校に対し、文部科学省が提示する予定の取組例を参考とするなどして、学校行事の精選や内容の見直しの取組を推進するよう促す。

(10) 学校が作成する計画等の見直し

・ 町教委は、各学校に対し、新たな課題に対応した計画の作成を求める場合には、道教委が行う予定の取組を参考としつつ、まずは既存の各種計画の見直しの範囲内で対応することを基本とするよう指導・助言を行う。
・ 町教委は、学校単位で作成される計画が、計画の内容や学校の実情に応じて、業務の適正化を図る観点や、計画の機能性を高め、カリキュラム・マネジメントの充実を図る観点から、可能な限り統合して作成されるよう、指導・助言を行う。
・ 町教委は、各教科等の指導計画の有効な活用を図るためにも、計画の内容や学校の実情に応じて複数の教員が協力して作成し共有化するなどの取組を推進する。
・ 町教委において、学校に作成を求めている計画等を網羅的に把握した上で、スクラップ&ビルドの観点に立ち、整理していくとともに、必要に応じて、PDCAサイクルの中で活用しやすい計画等のひな形を提示する。

(11) 学校の組織運営に関する見直し

・ 町教委は、学校に設置されている様々な委員会等について、類似の内容を扱う委員会等については、委員会等の合同設置や構成員の統一など、業務の適正化に向けた運用となるよう指導・助言を行う。

9 町立学校の教育職員の在校等時間の上限について

・ 町教委は、次に定める業務を行う時間を上限の範囲内とするために、業務の削減や勤務環境の整備を進める。
・ 各町立学校は、教育職員の勤務時間管理や業務の役割分担の適正化、効率化等を進め、業務を行う時間の上限の範囲内とする。

(1) 対象者の範囲

 給特条例第2条第2項に規定する教育職員を対象とする。

(2) 業務を行う時間の上限

 ① 勤務時間の考え方
   超勤4項目以外の業務を行う時間も含めて教育職員が働いている時間を適切に把握するため、教育職員が学校教育活動に関する業務を行っている時間として外形的に把握することができる時間を当該教育職員の「在校等時間」とする。
   正規の勤務時間外において超勤4項目以外の業務を行う時間も含めて教育職員が在校している時間を基本とし、当該時間に、次に掲げるア及びイの時間を加え、ウ及びエの時間を除いた時間を在校等時間とする。ただし、ウについては、当該教育職員の申告に基づくものとする。
  ア 校外において職務として行う研修への参加や児童生徒等の引率等の職務に従事している時間として町教委が外形的に把握する時間。
  イ 町教委等が定める方法による在宅勤務等の時間
  ウ 正規の勤務時間外に自らの判断に基づいて自らの力量を高めるために行う自己研鑽の時間その他業務外の時間
  エ 休憩時間

 ② 上限時間の原則
   教育職員の在校等時間から所定の勤務時間(給特条例第7条第1項各号に掲げる日(代休日が指定された日を除く。)以外の日における正規の勤務時間をいう。以下同じ。)を除いた時間(以下「時間外在校等時間」という。)を、次に掲げる時間の上限の範囲内とするため、教育職員の業務量の適切な管理を行うこととする。
  ア 1か月の時間外在校等時間 45 時間
  イ 1年間の時間外在校等時間 360 時間

 ③ 児童生徒等に係る臨時的な特別の事情がある場合の上限時間
   児童生徒等に係る通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い、一時的又は突発的に所定の勤務時間外に業務を行わざるを得ない場合においては、上記②の規定にかかわらず、教育職員の在校等時間から所定の勤務時間を除いた時間を、次に掲げる時間及び月数の上限の範囲内とするため、教育職員の業務量の適切な管理を行うこととする。
  ア 1か月の時間外在校等時間 100 時間未満
  イ 1年間の時間外在校等時間 720 時間
  ウ 1年のうち1か月の時間外在校等時間が45 時間を超える月数 6
  エ 連続する2か月、3か月、4か月、5か月及び6か月のそれぞれの期間について、各月の時間外在校等時間の1か月当たりの平均時間 80 時間 

(3) 町教委が行う措置

 ① 町教委は、教育職員の在校時間をICTの活用などにより客観的に計測し、校外において職務に従事している時間についても、できる限り客観的な方法により計測する。
   また、計測の結果は公務災害が生じた場合等において重要な記録となることから、公文書としてその管理及び保存を適切に行う。
 ② 町教委は、教育職員の健康及び福祉を確保するため、次の事項に留意する。
  ア 在校等時間が一定時間を超えた教育職員に医師による面接指導を実施する。
  イ 終業から始業までに一定時間以上の継続した休息時間を確保する。
  ウ 教育職員の勤務状況及びその健康状態に応じて、健康診断を実施する。
  エ 年次有給休暇についてまとまった日数連続して取得することを含めてその取得を促進する。
  オ 心身の健康問題についての相談窓口を設置する。
  カ 必要に応じて、医師等による助言・指導を受け、又は教育職員に医師等による保健指導を受けさせる。

 ③ 町教委は、各町立学校での実施状況を把握した上で、その状況を踏まえ、勤務時間の長時間化を防ぐための業務の役割分担や適正化、必要な環境整備等の取組を実施する。特に、教育職員の在校等時間が上限時間の範囲を超えた場合には、該当校における業務や環境整備等の状況について事後的に検証を行う。

 ④ 町教委は、保護者及び地域住民その他の関係者の理解が得られるよう、広く本プランの周知を図る。

(4) 留意事項

 ① アクション・プランに掲げる上限時間については、教育職員が上限時間まで勤務することを推奨する趣旨ではなく、「学校における働き方改革」の総合的な方策の一環として作成するものであり、在校等時間の長時間化を防ぐための他の取組と併せて取り組まれるべきものであること。決して、在校等時間の長時間化を防ぐための取組を講ずることなく、学校や教育職員に対し、上限時間を遵守することを求めるのみであってはならないこと。

 ② 教育職員の在校等時間について形式的に上限時間の範囲内とすることが目的化し、授業など教育課程内の学校教育活動であって真に必要な活動であるものをおろそかにすることや、実際の時間より短い虚偽の時間を記録し、又は記録させることがあってはならないこと。

 ③ 本来、業務の持ち帰りは行わないことが原則であり、上限時間を遵守することのみを目的として自宅等に持ち帰って業務を行う時間が増加することは、厳に避けなければならない。仮に業務の持ち帰りが行われている実態がある場合には、その実態把握に努めるとともに、業務の持ち帰りの縮減に向けた取組を進めるものとする。

このページの作成者・お問い合わせ先

教育委員会
電話:01655-4-2511

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