【開催報告】8/25~9/8 2025年度夏期インターンシップ体験日記
2025/10/10実施報告
2025年8月25日〜9月8日の15日間、下川町教育委員会のインターンシップに参加しました。
インターンシップでは、下川小学校、中学校、下川商業高校の授業に参加したり、
うどんまつりでのブース出展やOTOCOFFEEでの10代スペースの開催など
様々な活動を行いました。
ここでは、期間中に撮影した写真を交えながら15日間の様子を紹介します。

<インターンシップ参加者>
長谷部 香帆(かほ)北海道教育大学 旭川校 教員養成課程 教育発達専攻 1年【右前】
アビガイル サルマ マーシャンティ(アビ)立命館アジア太平洋大学 アジア太平洋学部 3年【中央前】
安藤成美(なる)北海道大学 法学部 2年 【左前】
大野倖生(ぴーちゃん)旭川市立大学 経済学部 2年 【左後】
星島祥吾(ほっしー)東京都市大学 環境学部 4年【中央後】
曽田浄英(きよ)立命館アジア太平洋大学 サステイナビリティ観光学部 1年【右後】
<活動スケジュール一覧>
8/25 午後 下川中学校図書室 学習スペース➀
8/26 午前 下川の人ツアー(戸田建設、どさんこはなちゃん)
午後 下川中学校図書室 学習スペース➁
8/27 午前 下川町まちツアー(木質バイオマス、SDGs等)
午後 みくわウィーク➀
8/28 午前 下川の森ツアー
午後 みくわウィーク➁
8/29 午前 下川中学校キャリア教育授業
午後 下川小学校自由研究発表会
みくわウィーク➂
8/30 終日 うどんまつりブース出展
8/31 終日 休日
9/1 自主研修
9/2 自主研修
9/3 終日 1日防災学校(小中合同)
9/4 自主研修
9/5 午前 下川商業高校 課題研究
午後 活動報告会
9/6 午後 10代スペース@OTOCOFFEE
9/7 終日 休日
9/8 午前 インターンシップ振り返り
【1日目】8/25(月)
下川中学校図書室 学習スペース
学習スペースでは、中学1・2年生の自習を補助し、生徒がわからない問題に対して一緒に考えるなどの支援を行いました。この活動を通して、次の3点を学びました。1つ目は、学年や学校ごとに雰囲気の違いがあり、その雰囲気に応じて指導方法を工夫することが生徒の成長につながるという点です。2つ目は、メリハリの難しさです。真剣に勉強を教える場面と、生徒が私たちと話したい場面とで、勉強モードから切り替えて接する必要があることを学びました。3つ目は、勉強を教えた成果がすぐには見えないということです。場面に応じて、こちらから教えた方がよい場合と、生徒自身が考えた方が成長につながる場合があることを知ることができました。 (大野倖生)


【2日目】8/26日(火)
下川の人ツアー
午前中には、美桑が丘に行き、小峰さんと小峰さんの愛馬であるどさんこハナちゃんにお会いしました。ここでは、主に、乗馬体験と引馬体験をさせていただきました。引馬体験でハナちゃんに自分の行きたい方向を伝え、実際に連れていくのはなかなかうまくいかず苦戦しました。引馬体験を通じて、コミュニケーションのあり方について考えました。自分が誰かを引っ張る立場になり、人が自分についてきてくれないとき、自分の伝え方に問題があるのではないか、自分本位の伝え方になっていないか、考える必要があると思いました。

その後、戸田建設の三浦さんのもとでお話を伺いました。三浦さんのなついちご栽培への挑戦の過程のお話を伺った後、イチゴの収穫体験をさせていただきました。

ここで学んだ事は大きく二点です。一つ目は、いちご農園が地域に深く関わっていることです。小学生や障がいのある人にイチゴの収穫の機会を提供することで、教育や福祉の面でも大きな役割を果たしていると感じました。二つ目は、なついちごが下川町の地方創生に深く関わっていることです。戸田建設という名前を使わず「下川町」のなついちごとしていちごを販売したり、地元の人の雇用を創出したりすることにより、下川町の経済を盛り上げることにつながっていました。(安藤成美)
【4日目】8/28日(木)
下川の森ツアー
下川の魅力を知るため、下川町の森を2時間歩かせていただきました。ただの散策ではなく「森と人との関わり」を肌で感じられる貴重な時間でした。森に足を踏み入れた瞬間、都会では味わえない深い静けさと澄んだ空気に包まれ、呼吸が自然とゆったりしていくのを感じました。

ガイドの藤原さんから、森の木々や植物の種類、それぞれの役割の話を聞くと、目の前の一本一本の木がただの風景ではなく「未来を育てる存在」として見えてきました。特に、間伐や植林といった作業の意味を知ったことで、森を守ることは単に自然を残すのではなく、人の暮らしと深く結びついていることを実感しました。

2時間という時間はあっという間でしたが、森と人との距離の近さ、そして「資源を使いながら未来につなげていく」下川町の取り組みに触れ、自然を大切にするとはどういうことかを深く考えるきっかけになりました。(星島祥吾)
【5日目】
8/29 (金)
下川中学校キャリア教育授業
下川小学校自由研究発表会
みくわウィーク最終日
午前中は下川中学校にお邪魔させていただき、下川中学校のキャリア教育の一環として、中学生の授業に参加させていただきました。まず授業の初めに中学生の将来のビジョンを説明してもらい、アドバイスをさせていただきました。その後にセンパイ進路トークと題して、インターン生の人生についてお話しさせていただき、中学生のこれからの視野を広げることができました。

センパイ進路トークのスライドを作成するにあたって、過去を振り返る必要がありました。そのため、自分を再度見直すとてもよい機会を得ることができました。キャリア教育の授業は中学生が主役の授業でしたが、私たちにとっても、貴重な経験になりました。(曽田浄英)
午後は小学校4-6年生による夏休みに行った自由研究の発表会を参観しました。同級生だけに発表するのではなく他学年や保護者の方に見てもらう形をとることは、小規模校であっても大人数での発表を経験することや、子どもの周りの環境を知ることができるなど、子どもと保護者の双方にとっての学びの場になると感じました。(長谷部香帆)
美桑が丘など挑戦できる場所が近くにあることで、子どもの「やりたい」を実現しやすい環境ができていると思います。美桑が丘のような学校とは別の「子どもの居場所」が自由研究などといった学校での取り組みに結びつき、それこそが地域共育なのではないかと感じました。

居場所づくりの一環として、8/27~29の3日間にわたり、みくわウィークに参加しました。みくわウィークは、子どもの放課後の居場所づくりの活動として、NPO法人森の生活が主催しています。子どもたちが放課後に美桑が丘でやりたいことをしながら自由に過ごすことができます。私たちは、主に子どもたちの自主的な遊びのサポートを行いました。子どもたちと一緒になって森の中を走ったり、たき火をしたり、遊戯を手作りした時間はとても楽しく貴重な経験でした。


3日間を通して、みくわウィークの居場所としての重要性を強く感じました。みくわウィークは、大人が「これをしよう」と誘うことなく、子どもたちの「これがしたい」という自主性を最大限に重んじる場所です。子どもたちがやらなければならないことが決まっている学校や家とは異なる、子どもたちにとっての大切な居場所となっていました。(安藤成美)
【6日目】8月30日(土)
うどんまつりブース出展
当日はうどん祭りで四つのブースを行いました。つながるチャレンジでは、参加者が首から下げたカードを見せ合い、前のカードと後ろのカードを合わせて文を完成させました(参加:約10人)。ボードゲームは自由に参加でき、カードゲームや絵を描ける場所も用意しました。

国際ブースでは、英語の早口言葉、インドネシア語での自己紹介、ミャンマー語で名前を書く、という三つの体験を行いました。ミャンマー語のアクティビティは、ミャンマーの方に手伝ってもらいました。その後、じゃんけんで勝った人は、無料でガチャガチャを回し、負けた人にはお菓子を配りました(参加:約55人)。ガチャガチャの景品はインターン生の出身地から集めた品を用意しました (参加:約70人)。子どもからお年寄りまでたくさんの人が参加してくれました。

参加者は初めての言語を楽しんでくれて嬉しくなりました。
また、会場のごみ分別を手伝うボランティアにも取り組みました。下川町のごみ分別のやり方を現地で見ることができ、とても有意義でした。人が多い中でも分別がしっかり行われ、地域の環境への意識が高いと感じました。(アビガイル サルマ マーシャンティ)
【9日目】9月2日(火)
自主研修2日目は、下川町認定こども園「こどものもり」さんに伺いました。先生方とお話した中で、子どものやりたいことを制限しないことが印象に残っています。工作活動や遊びの中で、多くの子どものやりたい!に対して個別的な対応や全体での取り組みにうつすなど、やりたいに応える先生の力が強いと感じました。多くの子どもの声を拾えるという小規模ならではの魅力が大きく出ている環境でした。
こども園の時から継続的に森林環境に触れることや、卒園しても子どもの育ちを見守り続ける環境があることを知り、地域共育の過程を感じることができました。(長谷部香帆)
【10日目】9月3日(水)
<1日防災学校(小中合同)>
下川町で行われた「1日防災学校」に参加し、防災の大切さを体感的に学ぶことができました。このプログラムは、自然災害が発生した際にどのように自分や周囲の人を守るかを、講義と実践を組み合わせて学ぶ取り組みです。
午前中は、防災に関する基礎知識の講義から始まりました。下川町で想定される地震や豪雨災害のリスクについて説明を受け、「日常の延長に防災を考える必要がある」と実感しました。また、体験型のプログラムが中心で、避難所におかれるベッド設営のやり方や、段ボールを使った簡易トイレの組み立てを体験しました。特に、参加者同士で協力しながらに組み立てる作業は、災害時の「連携の大切さ」を強く感じる機会となりました。個人の知識やスキルだけでなく、地域で助け合う姿勢が不可欠であることを改めて学びました。


1日の学びを振り返ると、防災は特別なことではなく「普段の暮らしの中に落とし込むべきこと」であると感じました。備蓄や避難経路の確認といった準備を日常に組み込むことが、自分や地域を守る第一歩になります。下川町の取り組みは、参加者に知識を伝えるだけでなく、「自分ごと」として防災を考える視点を与えてくれる点で、とても意義深いものでした。(星島祥吾)
【11日目】9月4日(木)
<自主研修 「名願寺」>
自主研修として上名寄にある名願寺にお邪魔させていただき、居場所づくりについて理解を深めました。名畑さんは誰かの居場所をつくるためにはまずはその居場所にいる人が大事であり、人に耳を傾けることで、人の話をしっかり聞き、寄り添ってあげることが必要であると仰っていました。中でも特に印象に残ったのが、最終的には居場所という「場所」ではなく、そこをつくる「人」自身が居場所であれるようになることが、大切であるということです。居場所づくりのベースが学べてよかったです。(曽田浄英)

〈自主研修 「下川中学校」〉
自主研修として下川中学校を訪問しました。5時間目・6時間目の時間にお邪魔させていただきました。5時間目では各学年の授業見学を行いました。私たちの学生時代では使っていなかったIpadを使った授業が盛んに行われていました。間の休み時間では、教頭先生へ、今の教育(学校)について質問をさせていただきました。6時間目では、学校祭の準備を見学しました。各部門ごとに作業を行っており、私の学生時代を思い出す機会になりました。今回学んだことを生かし、教員になれるように励んでいきたいと思います。(大野倖生)
【12日目】9月5日(金)
<下川商業高校 課題研究>
下川商業高校にて課題研究のゲストトークを行いました。下川商業高校の課題研究では、1人1テーマを決めて研究を行っています。下川町の各分野に詳しい専門家(観光、空き家、農業、健康増進、木工等)の8名の方を参加いただき、高校生が自分の企画について説明し、それに対してゲストからは「すでにこんな取り組みもあるよ、この人にお話を聞くといいかもね、こういう観点で考えるともっと良さそう」など、研究テーマや研究の内容についてアドバイスを行いました。


高校生の中にはすでに企業さんと連携を取ってプロジェクトが進んでいる生徒がいたり、内容がしっかり練られている生徒も多く、大学生にとっても学びが多い時間になりました。授業に参加することで、自分の学生時代を思い出せただけではなく、私たちの将来について考える参考にもなりました。(大野倖生)
【13日目】9月6日 (土)
<10代スペースCOCOLABO@OTOCOFFEE>
2週目の週末はOTOCOFFEEさんでCOCOLABO という10代を中心とした居場所づくりを開催しました。下川町産の苺と牛乳を使用したオリジナルドリンクの販売や、ボードゲームや英語を使ったアクティビティで子どもとの交流を深めました。



リピートして買ってくれる人も多く、美味しいと思ってくれるドリンクづくり、長く居られる居場所づくりができたことを大変嬉しく思います。様々な形で出会った方々と再度関わることができ、下川の人と人との繋がりの深さを感じました。居場所とは何なのか、繋がる場所とは何なのかを考えながら作り上げたCOCOLABOは2週間の集大成になったと思います。幅広い年代の方が分け隔てなく一緒に楽しめた空間は、私たち大学生にとっても子どもに戻れたような気持ちになれる暖かい場所でした。
OTOCOFFEE さんや戸田建設さん、美花夢さんのご協力のもと、無事に成功させることができました。地域の企業と人が繋がってさらにたくさんの人を繋いでいくことができた経験を新しい居場所づくりに繋げていきたいです!(長谷部香帆)
