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万里長城の経緯

下川町は、農・林・鉱業の三大産業を柱として、経済発展を遂げてきた。しかし、昭和50年頃から銅価が低迷、下川鉱山の合理化が進み、昭和58年には全面休山となってしまった。また、林業にあっては、長期の需要低迷に加え、急激な円高による業績不振などにより、町内経済は疲弊し、町民の先行き不安はつのり、さらに経済活動は消極的となった。

町は、この状況を脱却するための施策として「ふるさと運動」を幅広く展開し、また町民の間では、観光資源の開発を推進するべきだと気運が盛り上がったものの、これといった観光資源がない町、それならば「自分たちの手でつくろうじゃないか」と“手づくり観光日本一”を目指し、「万里長城築城」がスタートした。業者に依頼してつくるのは簡単で面白味に欠けるので、あえて手づくりで築城することとし、参加体験型の観光を目指したという点では、先駆性に富んでいる。

西暦2000年に2000メートル達成を目標に、昭和61年8月から町民による石積みを開始。「人力による築城」を方針に、昔懐かしい「もっこ」で石を運んで積む作業が続けられた。

毎年5月から10月の第三日曜日を「町民石積みの日」と定めて、より多くの町民の参加を呼びかけた。平成元年頃からは、口コミで道内外の観光客が訪れるようになった。石に名前を残せるというのが好評で、ある時は石が無くなり山から運び出すなど、石を捜すのにたいへん苦労したこともある。

15年かけて積み上げた石の数は15万個以上、石に名前を残した人の数は町内外合わせて約12万5千人にもなる。その石の一つ一つに年月日、名前、住所がしっかりと刻まれており、そこには全国各地から訪れた人の名前を始め、カナダや中国など海外から訪れた人の名前も並んでいる。

中国の万里長城は、外敵の進入を防ぐためのものであったが、下川町の万里長城は、町外からの多くの人たちを呼び込む物として、その存在を世界にアピールしている。

町民だけでなく、全国各地から、また世界各国からこの下川町に来て石を積んで頂いているという点において、開放性に富んでいる。

万里長城築城の発端は、町民や役場職員で構成する観光振興委員会において、当時、委員の一人であった役場職員の中国旅行で見てきた万里長城の話題がきっかけとなり、また農地造成の際に土中から排出された多量の石を有効に利用できることも重なり、委員のユニークな発想から築城がスタートした。

築城当初は「ミニ万里長城」と名付けていたが、平成2年、本家の了解をとるため、当時の町長が札幌の中国領事館にあいさつに行ったところ、快く名称の使用を承認していただいたばかりか、「ミニ」も付けなくてよいこととなり、これにより中国のお墨付きをいただき、現在の名称となっている。

西暦2000年10月、「万里長城」築城2000メートル達成記念セレモニーにおいて、中国領事館総領事 孫 平 氏をお招きした際、「衆志成城」という言葉をいただいたが、その意味は「衆の心を合わせれば、城も築き上げられる」、「町民が心を合わせれば、大きなことも成し遂げられる」というものであった。

地元の資源(当時は不要物の石)を有効に利用し、町民の和のシンボルとして町民が自らの手によって造り上げ、さらに大きな輪となり地域の観光資源となった点に関しては、他町村においても取り組める一つの事例であり、下川町のような活動は普遍性に富んでいるといえる。

この事業を進めていく上で「町民石積みの日」をつくり、「人力による築城」の方針のもと、町民が主体となって取り組んできた。

万里長城がある桜ヶ丘公園では、毎年「万里長城祭」が開催され、万里長城クロスカントリー大会や走鳥類エミューレース、焼き肉パーティー等のイベントが行われている。クロスカントリー大会には、町内をはじめ札幌や帯広など全道各地から選手が出場している。また、今年は新たなイベントとして、長城の石壁を足と手をかけながら横に進んでいく「城壁横ばいレース」が行われ、札幌や江別からたくさんの大人や子どもが参加している。

冬になると、下川町最大のイベント「アイスキャンドル・フェスティバル」と「アイスキャンドル・パ-ク」が開催されるが、「アイスキャンドル・パ-ク」は万里長城内を会場とし、アイスキャンドルと白樺のライトアップにより、幻想的な世界を創り上げている。この冬のイベントでは、万里長城のロケ-ションの良さが、アイスキャンドルの魅力を十分に引き出しており、多くの観光客が会場を訪れている。

このように、下川町では、町民自らの主体性で観光資源の創出、イベントの運営が行われ、ふるさとづくりが着実に育まれている。

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